Valentine Kiss(番外編)

                                                                                                    俺達のチョコ作り





乾  「まぁ入ってくれ」


大石  「お邪魔します」

手塚  「お邪魔します」

乾    「荷物は適当に置いてくれ。で、早速始めるか?」

大石   「そうだな。初めて作るし、どれだけ時間がかかるかもわからないしな

     すぐに始めた方がいいんじゃないか?なぁ手塚」

手塚  「あぁ。そうだな。すぐに始めよう」

乾   「そうかわかった。じゃあ少し待っててくれ」

大石  「ん?どうしたんだ乾?」

乾   「始める前の準備をな・・・兎に角すぐ戻るから」

大石  「ああ。そうかすまないな。わかった」



〈乾何かを持って戻って来た。〉



乾   「これを使ってくれ」

大石  「これは?」

乾   「エプロンだ。制服が汚れるといけないからな。遠慮せず使ってくれ」

大石 「なるほど。そうだな。ありがとう乾。遠慮なく使わせて貰うよ・・・ってネコ?」

手塚  「俺はクマだ・・・」

乾    「可愛いだろ?俺のはヘビだ」

大石  「可愛いって・・・確かにデフォルメされて可愛いけど・・・

      もっと普通のエプロンはなかったのか・・・?」

乾   「ない。母親の趣味だ。我慢してくれ」

大石  「はっ母親の趣味って・・・

     どう考えても何か意図されている感じが拭えないんだけど・・これ」

乾   「考えすぎだ・・・大石」

大石  「考えすぎって言われてもな・・・これはどう見ても・・・」

手塚  「大石。そんな事より早く始めないか?」

大石  「そっ・・そんな事よりって手塚、お前はこのエプロン気にならないのか?」

手塚  「別に」

大石  「・・・・えぇぇ・・」

乾    「そういう事だ大石」

大石  「・・・そうだな。そう言う事なら仕方がない。

      エプロンに何か意図があったとしてもエプロンはエプロンだ。

      よし!じゃあ始めよう!」

乾    「よし。では役割分担を決めよう・・・俺は生クリームを作る。

      大石はこの板チョコを細かく均等に刻んでくれ

      手塚はこの鍋でお湯を沸かしこのボールに移す。

      お湯の温度は50度〜60度。この温度計で測ってくれ。じゃあ取り掛かろう」

大石   「了解」



〈3人でチョコ作り開始〉



大石  「手塚。どうだ?温度は50〜60度って言っていたが、ちゃんと温度は合わせたか?」

手塚  「抜かりはない」

大石  「そうか。で、乾は・・・ん?乾何を作ってるんだ?」

乾    「あぁ・・・チョコに混ぜようと思ってな」

大石  「えっ?生クリーム以外にも用意していたのか」

乾    「あぁ。コレだ」



〈お約束・・・乾汁バレンタインバージョン〉



大石  「いぃ!!」

乾   「これを混ぜる事で、美味しいだけではなく身体にいいチョコになる。

      どうだ大石も混ぜるか?」

大石   「えっ?俺は・・・遠慮しとくよ。英二には俺一人で作ったチョコをあげたいし・・・」

乾    「そうか・・・残念だな・・・じゃあ手塚・・」

手塚   「断る」

乾    「・・・・」

大石   「ハハハハ・・・まぁ・・まぁ乾・・・それよりそろそろ次の工程に進まないか?」

乾    「・・・そうだな」



〈しばし微妙な雰囲気・・・でもチョコ作りは続く〉



乾   「よし。そろそろいいか・・・ではこのアルミカップに流したチョコの上にデコレーションをしていこう」

大石  「これだな」

乾   「そうだ。ナッツ、アラザン、五色スプレーそしてこのデコペン。

     これらを用いてデコレーションをする訳だか、ここが今回の1番のポイントになる。

     何故ならそれぞれの想いをここで表現し、尚且つ己の美意識をも問われるからだ」

手塚  「成る程。奥が深いな」

大石  「そうだな。何だか緊張するよ」



〈腕を組みチョコを見下ろす3人〉



乾   「まぁ見ていても仕方がない。まず手始めにこのデコペンからやってみよう。

     これはペンとつくだけあって文字や絵を描くのに使うのだが・・・

     そうだな。テーマを決めてやってみようか・・・テーマはズバリ恋人・・どうだ?」

大石  「恋人?」

乾   「そうだ。俺なら海堂、大石なら菊丸、手塚なら不二をイメージしたものを

     このデコペンでこのアルミカップのチョコの上に書くんだ」

大石  「難しそうだな」

乾   「そんなに深く考えない方がいいだろう。菊丸ならという直感で書けばいい」

大石  「英二ならねぇ・・・」

乾   「手塚はどうだ?いけそうか?」

手塚  「ふむ。直感だな」

乾   「よし。じゃあやってみよう」



〈3人でお絵描き中〉



大石  「よし!出来た」

乾    「俺も出来た」

手塚  「俺も大丈夫だ」

大石  「じゃあせーので見せ合わないか?」

手塚  「いいだろう」

乾   「よし。わかった」

大石・手塚・乾 「せーの!」

大石・手塚・乾 「・・・・・」

大石  「えっと・・・」

乾    「これは全て説明を聞かなきゃわからないな」

大石  「じゃあどうする?」

乾   「では大石。お前のから聞いていこう。一体この白く塗りつぶされた四角は何だ?」

大石  「俺?俺のはすぐにわかるだろう。英二といえば絆創膏。

     だからそれを書いてみたんだが・・どうだ?」

乾   「どうだ?といわれてもな・・・これを見て菊丸がどう思うか・・」

大石  「英二がどう思うかって・・・それなら乾のこれは何なんだよ」

手塚  「ゾウリムシ」

乾   「違う。これはペイズリーだ」

大石  「ペイズリー?」

乾   「海堂といえば、バンダナ・・・バンダナの柄といえばペイズリー」

大石  「豹柄じゃなくて?」

乾   「そっちの方が良かったか・・・(若干凹み中)」

大石  「まぁ・・・まぁそれより手塚のこれは何だ?」

手塚  「これは・・・」

乾    「待て手塚。当ててみよう」

大石  「面白そうだな。じゃあ・・・3!」

手塚  「違う。数字ではない・・・絵だ」

乾   「山」

手塚  「違う」

大石  「カモメ!」

手塚  「違う」

乾   「マックのマーク」

手塚  「それの何処が不二のイメージなんだ?」

大石  「降参。もう思いつかないよ。何だか教えてくれ」

乾   「そうだな。俺も降参だ」

手塚  「そうか・・・わかった。実はこれは・・・」

大石・乾 「これは?」

手塚  「不二の目だ」

大石・乾 「・・・・・」

大石  「えっと・・確かにあの眼は印象的だが・・・なぁ乾」

乾   「うむ。これを不二に見せた場合・・・

     一緒にいる俺達にも被害が及ぶのは目に見えている。

     確立は100%だ。」

手塚  「被害?なんの被害に遭うというんだ?」

乾   「まぁ兎に角だ・・・このままだと俺達の美意識も問われる

     デコペンは使わない方向でいこう」

大石  「そうだな。デコペンはやめてこっちのナッツとかを使ってデコレーションをしよう」

手塚  「・・・何故だ?」



〈気付かない手塚を横目にまだまだ、デコレーションは続くのでした☆〉

               


 

                                                                END




ハッピーバレンタインvvv


と、新作がUPできれば良かったのですが・・・そうもいかず(汗)

急遽過去にweb拍手に入れていたものを掘り起こしてきました☆

『Valentine Kiss』の中で大石達が手作りチョコを作るのですが・・・

その模様の一部です☆

読んだ事がある!って方も初めての方も楽しんで頂けたら嬉しいですvv

2010.2.14